Biz library

コンクリート研究者から起業家へ。営業支援領域のマイクロSaaSを立ち上げたスモビジマン

スモールビジネス経営者に、事業について遠慮なく質問をぶつける「突撃!隣のスモビジマン」。普段は聞けないリアルなお金の話や、現場で起きている生々しい意思決定に触れることで、あなたのビジネスにもすぐに活かせるヒントが見つかるはずです。
今回は、外国人エンジニアと共にセールステック企業を立ち上げ運営されている方にお話を伺いました。(聞き手:Biz library代表 海保 堅太朗)


「まさか自分がITサービスの会社を立ち上げることになるとは思いませんでした」

そう語るのは、セールステックサービス「Benri.ai」を共同で手掛ける高木氏だ。彼女のキャリアは、大学での土木工学、コンクリートの研究から始まる。新卒で橋を造る仕事に就き、途上国で働く夢も叶えた。しかし、彼女の心は別の場所にあった。

「正直、橋もコンクリートも、そこまで好きじゃなかったんです(笑)。『途上国で働きたい』という目的が先にあって、そのための手段を少し見誤ったんですね」

キャリアの再出発を決意した彼女が次に見つけたキーワードは「海外」と「外国人」。未経験ながら外国人専門の人材紹介会社に飛び込み、初めて「ビジネス」の面白さに目覚める。その後、独立を経てフリーランスとして活動する中で、彼女の運命を大きく変える出会いが訪れた。かつて自身がキャリアをサポートした、一人のベルギー人エンジニアとの再会が、すべての始まりだった。


ベルギー人エンジニアとの出会いが事業の原点

海保:全くの異業種からのキャリアチェンジ、非常に興味深いです。現在のセールステック事業は、どのような経緯で始められたのでしょうか?

きっかけは、以前勤めていた人材紹介会社で私が担当したベルギー人のエンジニアです。彼が日本で働き始めてからしばらく経ったある日、「こんなものを作ってみたんだけど、事業にできないかな?」と相談を持ちかけてきたんです。

海保:ほう!それはドラマチックな展開ですね。

ええ。見せられたのは、まだ本当に簡単なプロトタイプでした。それが、今私たちが提供しているメール営業でアポイントを獲得するツール、いわゆる「コールドメール」送信ツールの原型です。海外ではごく一般的な手法なんですが、彼は「アメリカやヨーロッパでは当たり前なのに、なぜ日本にはないんだろう?」という素朴な疑問から、それを自分で作ってしまったんです。

海保:面白い!高木さんから見て、そのサービスには最初から「いける!」という手応えがあったのですか?

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