本当の「賢さ」とは?現役サラリーマンから見た、スモールビジネス経営という選択肢
Biz library編集部によるコラムです。日常的にさまざまなスモールビジネス経営者とやり取りを続けている編集部のメンバーが、最近どのようなことを考えているのかをアウトプットします。スモールビジネス経営を抽象的に捉えるヒントになれば幸いです。
-------------------------------------------------------------------------------
著者:おみき
新卒で大手企業に入社し、営業・マーケティング・広告を経て、現在はDX推進に従事。
その傍ら、2024年より副業としてBiz libraryの運営メンバーとして活動中。
大企業での経験を通じて、経済的豊かさと自己充実の両立を可能にする「スモールビジネス」の在り方に関心を持つ。
サラリーマンの視点から、スモールビジネスのノウハウや実現プロセスを探究している。
-------------------------------------------------------------------------------
突然だが、あなたにとっての「賢さ」の定義とは何だろうか。
「賢い」選択の答え合わせ
大手企業に就職したとき、私はこれが最も「賢い」選択だと信じていた。
大手は安泰、つぶしがきく、という親や周囲の言葉もあったし、目の前の仕事を頑張ればまず間違いはないだろうと思った。気が合わない人ともうまくやる大人の振る舞いこそが、社会で生きるためには必要だと考えていたし、それが優秀さの証だと信じて疑わなかった。
しかし数年が経ち、その考えに疑問を抱くようになった。
確かに収入は安定しているし、たいていの人とうまくやることもできるようになった。当時の自分にとっては合理的な選択だったかもしれない。でも、日々を過ごす中で拭い去れない違和感がある。
社外の顧客や市場価値ではなく、社内のロジックや部署の都合によって自分の仕事や能力が評価される。そのたびに、この努力は正しいのかと不安になったり、自信がなくなったりする。
心からは望んでいない出世というゴールを目指し、終わりのない業績向上を掲げて走り続ける。どこかで自分を騙し騙しやっている感覚。周囲に相談すれば「働くなんてそんなものだ」と返される。
ずっとこれを続けていくのだろうか?そもそも、続けられるのだろうか?その自問が、日を追うごとに大きくなる。
問題の本質は会社ではなかった
私が嫌悪感を抱いていたのは、会社そのものではない。
問題の本質は、私たちに絶え間ない成長を求める資本主義というシステム——いや、もっと言えば、そのルールになんとか適応しようとするあまり、本来の自分自身の価値観をほとんど無意識にシステムに差し出してきたことにあった。
多くの人を巻き込みながら、更なる売上と規模の拡大を志向する。それが正しいし、優れているのだと、社会全体が私たちを駆り立てる。しかし、その先に本当に私の欲しい幸福があるのだろうか? このまま走り続けて、本当に得られるものは何だろうか?
当然、働いて収入を得なければ、日々を暮らすことはできない。ではそのために、この「永遠に拡大し続ける」という価値観を甘んじて受け入れるしかないのだろうか?
答えを見つけられないまま、私は葛藤の中で立ち尽くしていた。
スモールビジネスとの出会い
そんな中で、私はスモールビジネスという経営スタイル、そしてその哲学に出会った。
スモールビジネスとは、年商数千万から数億円程度の、個人または数人で経営可能な、ニッチで再現性のあるビジネスを指す。特定業界の課題を解決するコンサルティング、自身の知識を商品とするコンテンツ販売、あるいはWebマーケティングを請け負う専門サービスなどがその一例だ。
この考え方は「成功」の定義そのものを問い直す。
上場や知名度といった社会的なゴールよりも、堅実に黒字を出し続けることを重視する。際限のない拡大を目指さず、自分や、自分の事業にとって最適なスケールでの成長を志向する。その根底にあるのは「成功」への駆り立てではなく、あくまで自らの幸福を重視する価値観だ。
これはすなわち、経済的な豊かさと幸福や健やかさは両立できる、ということだ。資本主義のルールを理解した上で、自分の軸を見失わずに、ビジネスを行えるのがスモールビジネスなのだ。
もちろん、経営者や事業によって規模拡大を志向するケースもあるが、その場合もあくまで決定権は自分にある。拡大「しなければならない」という外圧から距離を置き、地に足の着いた意思決定ができる。スモールビジネスについて知るにつれて、その魅力が深く腑に落ちていった。
思い返せば、私が本当に求めていたのは、出世による肩書きや地位そのものではなかった。そうではなく、自分にとって意義を感じるプロジェクトに関わること。気の合うメンバーと少数精鋭で働くこと。自分の仕事が顧客に評価され、その対価を得られること。そういった本質的な体験だった。
それが資本主義の土俵を降りることなく、自分の物差しでの「成功」を叶える生き方だ。
そして、私が人生で最も幸せを感じる瞬間は、話の合う人たちと興味のあることを語り合う時間だった。ただ、自分が自分でいられる場所があるということ。
「生きていくためには会社で働くしかない」「この価値観に染まってうまくやらなければならない」と思い込んでいると、本来の自分が大切にしたかった時間や人間関係が気づけばこぼれ落ちていく。
自分を幸せにしない生き方や価値観とは、距離を置いたっていい。
特別なスキルがないとできないのか?
とは言いながらも、当初は、スモールビジネス経営は特別な才能がある一部の人のものだと思っていた。エンジニアやデザイナーのように手に職がある人、外資系など業界トップ企業で激務に耐え抜いた人、優れたアイデアマンといった限られた人だけが、会社に頼らず生きられるのだろうと。
例に漏れず自分自身も「特別なスキルがない」と感じていた一人だったからだ。
しかし、Biz libraryの運営に関わる中で、多くのスモールビジネス実践者の事例に触れ、考えが変わった。堅実に黒字を出している人たち全員が、必ずしも上記に当てはまるわけではないことが分かったのだ。
彼らが持っているのは、特別な才能やスキルというよりも、資本主義と賢く付き合うための知恵だった。
大企業での勤務経験を通して培ってきたロジカルな思考力や、特定の業界・職種のニッチな専門知識。これらをどう切り出し、どう組み合わせてビジネスにするかという、実践的な方法論のほうが重要だったのだ。
本当の「賢さ」とは
Biz libraryはその名の通り、知恵を集めた図書館のような場所だ。これまでに、さまざまな業界・職種でスモールビジネス経営を実践する人たちの等身大の事例と具体的な方法論を、延べ100人以上にインタビューしてきた。
正直に言えば、私もまだ明確な答えを見つけられてはいない。本業を続けるか辞めるか、副業にするのか専業にするのか。私自身も、試行錯誤を始めたところだ。
しかし、資本主義との付き合い方を変えられるということ、そしてスモールビジネス経営という生き方を知れたこと自体が、すでに大きな一歩だと感じている。自分に存在する選択肢に気付くことから、すべては始まるのだ。
もしあなたも同じような違和感を抱えているなら。他に道がないように思えているなら。
まずは、Biz libraryという知恵の図書館を覗いてみてほしい。
そして、「終わりのない成長」を問い直し、「幸福になること」を目指す、自分だけの哲学と知恵を、私たちと一緒に見つけていこう。
それこそがきっと、私たちの幸福を叶える、本当の「賢さ」になるはずだ。
-------------------------------------------------------------------------------
Biz libraryでは、スモールビジネスに関する生きた情報を発信しています。また、スモールビジネス起業の具体的な方法論を「【スモールビジネス起業・完全ロードマップ】探索→販売→仕組み化→展開」にてお伝えしています。単品購入も可能ですが、サブスク会員になれば無料で読むことが可能です。
-------------------------------------------------------------------------------
おすすめ記事
【戦場・戦術の違いから読み解く】スモールビジネス・ロングビジネス・スタートアップの違いとは
Biz library編集部
会員限定
2025.1.4
年商3億、利益1億超!トレーディングカード業界でヒット商品を連発するスモビジマン
Biz library編集部
¥1,980
2024.5.22
半年強で月商300万。高齢者向けYouTubeチャンネル運営をする24歳から学ぶ、リサーチと顧客インサイトの重要性
Biz library編集部
¥2,480
2024.5.10
【会員限定】武田のスモビジ奮闘日記 強烈に信じる思想を持ちなさい!自らを批判に晒しなさい!【vol6】
Biz library編集部
会員限定
2024.1.22
【スモビジお悩み相談室】”おいしい”はずの事業が上手くいかない。同じビジネスで儲かっている成功者との違いは何!?
Biz library編集部
¥1,480
2023.10.28
【業界ガイド】スモビジ的 BtoCオンラインスクール事業への参入方法と市場環境・YouTube活用について
Biz library編集部
¥980
2024.4.26
【学生必見】お金0円から始められる!武田所長が教える学生起業のリアル
Biz library編集部
無料
2025.5.18
【シングルタスク脳になりなさい】スモビジオーナーとしての基礎的行動習慣
Biz library編集部
会員限定
2025.5.8
人材紹介事業の新規参入はハードモード
チャック@事業開発プロフェッショナル
無料
2023.9.13
ビジネス初心者の副業から、1年で年商1億超へ。ニッチを極めたオンラインセミナー事業
Biz library編集部
¥1,480
2025.6.28
| Biz library編集部によるコラムです。日常的にさまざまなスモールビジネス経営者とやり取りを続けている編集部のメンバーが、最近どのようなことを考えているのかをアウトプットします。スモールビジネス経営を抽象的に捉えるヒントになれば幸いです。 |
-------------------------------------------------------------------------------
著者:おみき
新卒で大手企業に入社し、営業・マーケティング・広告を経て、現在はDX推進に従事。
その傍ら、2024年より副業としてBiz libraryの運営メンバーとして活動中。
大企業での経験を通じて、経済的豊かさと自己充実の両立を可能にする「スモールビジネス」の在り方に関心を持つ。
サラリーマンの視点から、スモールビジネスのノウハウや実現プロセスを探究している。
-------------------------------------------------------------------------------
突然だが、あなたにとっての「賢さ」の定義とは何だろうか。
「賢い」選択の答え合わせ
大手企業に就職したとき、私はこれが最も「賢い」選択だと信じていた。
大手は安泰、つぶしがきく、という親や周囲の言葉もあったし、目の前の仕事を頑張ればまず間違いはないだろうと思った。気が合わない人ともうまくやる大人の振る舞いこそが、社会で生きるためには必要だと考えていたし、それが優秀さの証だと信じて疑わなかった。
しかし数年が経ち、その考えに疑問を抱くようになった。
確かに収入は安定しているし、たいていの人とうまくやることもできるようになった。当時の自分にとっては合理的な選択だったかもしれない。でも、日々を過ごす中で拭い去れない違和感がある。
社外の顧客や市場価値ではなく、社内のロジックや部署の都合によって自分の仕事や能力が評価される。そのたびに、この努力は正しいのかと不安になったり、自信がなくなったりする。
心からは望んでいない出世というゴールを目指し、終わりのない業績向上を掲げて走り続ける。どこかで自分を騙し騙しやっている感覚。周囲に相談すれば「働くなんてそんなものだ」と返される。
ずっとこれを続けていくのだろうか?そもそも、続けられるのだろうか?その自問が、日を追うごとに大きくなる。
問題の本質は会社ではなかった
私が嫌悪感を抱いていたのは、会社そのものではない。
問題の本質は、私たちに絶え間ない成長を求める資本主義というシステム——いや、もっと言えば、そのルールになんとか適応しようとするあまり、本来の自分自身の価値観をほとんど無意識にシステムに差し出してきたことにあった。
多くの人を巻き込みながら、更なる売上と規模の拡大を志向する。それが正しいし、優れているのだと、社会全体が私たちを駆り立てる。しかし、その先に本当に私の欲しい幸福があるのだろうか? このまま走り続けて、本当に得られるものは何だろうか?
当然、働いて収入を得なければ、日々を暮らすことはできない。ではそのために、この「永遠に拡大し続ける」という価値観を甘んじて受け入れるしかないのだろうか?
答えを見つけられないまま、私は葛藤の中で立ち尽くしていた。
スモールビジネスとの出会い
そんな中で、私はスモールビジネスという経営スタイル、そしてその哲学に出会った。
スモールビジネスとは、年商数千万から数億円程度の、個人または数人で経営可能な、ニッチで再現性のあるビジネスを指す。特定業界の課題を解決するコンサルティング、自身の知識を商品とするコンテンツ販売、あるいはWebマーケティングを請け負う専門サービスなどがその一例だ。
この考え方は「成功」の定義そのものを問い直す。
上場や知名度といった社会的なゴールよりも、堅実に黒字を出し続けることを重視する。際限のない拡大を目指さず、自分や、自分の事業にとって最適なスケールでの成長を志向する。その根底にあるのは「成功」への駆り立てではなく、あくまで自らの幸福を重視する価値観だ。
これはすなわち、経済的な豊かさと幸福や健やかさは両立できる、ということだ。資本主義のルールを理解した上で、自分の軸を見失わずに、ビジネスを行えるのがスモールビジネスなのだ。
もちろん、経営者や事業によって規模拡大を志向するケースもあるが、その場合もあくまで決定権は自分にある。拡大「しなければならない」という外圧から距離を置き、地に足の着いた意思決定ができる。スモールビジネスについて知るにつれて、その魅力が深く腑に落ちていった。
思い返せば、私が本当に求めていたのは、出世による肩書きや地位そのものではなかった。そうではなく、自分にとって意義を感じるプロジェクトに関わること。気の合うメンバーと少数精鋭で働くこと。自分の仕事が顧客に評価され、その対価を得られること。そういった本質的な体験だった。
それが資本主義の土俵を降りることなく、自分の物差しでの「成功」を叶える生き方だ。
そして、私が人生で最も幸せを感じる瞬間は、話の合う人たちと興味のあることを語り合う時間だった。ただ、自分が自分でいられる場所があるということ。
「生きていくためには会社で働くしかない」「この価値観に染まってうまくやらなければならない」と思い込んでいると、本来の自分が大切にしたかった時間や人間関係が気づけばこぼれ落ちていく。
自分を幸せにしない生き方や価値観とは、距離を置いたっていい。
特別なスキルがないとできないのか?
とは言いながらも、当初は、スモールビジネス経営は特別な才能がある一部の人のものだと思っていた。エンジニアやデザイナーのように手に職がある人、外資系など業界トップ企業で激務に耐え抜いた人、優れたアイデアマンといった限られた人だけが、会社に頼らず生きられるのだろうと。
例に漏れず自分自身も「特別なスキルがない」と感じていた一人だったからだ。
しかし、Biz libraryの運営に関わる中で、多くのスモールビジネス実践者の事例に触れ、考えが変わった。堅実に黒字を出している人たち全員が、必ずしも上記に当てはまるわけではないことが分かったのだ。
彼らが持っているのは、特別な才能やスキルというよりも、資本主義と賢く付き合うための知恵だった。
大企業での勤務経験を通して培ってきたロジカルな思考力や、特定の業界・職種のニッチな専門知識。これらをどう切り出し、どう組み合わせてビジネスにするかという、実践的な方法論のほうが重要だったのだ。
本当の「賢さ」とは
Biz libraryはその名の通り、知恵を集めた図書館のような場所だ。これまでに、さまざまな業界・職種でスモールビジネス経営を実践する人たちの等身大の事例と具体的な方法論を、延べ100人以上にインタビューしてきた。
正直に言えば、私もまだ明確な答えを見つけられてはいない。本業を続けるか辞めるか、副業にするのか専業にするのか。私自身も、試行錯誤を始めたところだ。
しかし、資本主義との付き合い方を変えられるということ、そしてスモールビジネス経営という生き方を知れたこと自体が、すでに大きな一歩だと感じている。自分に存在する選択肢に気付くことから、すべては始まるのだ。
もしあなたも同じような違和感を抱えているなら。他に道がないように思えているなら。
まずは、Biz libraryという知恵の図書館を覗いてみてほしい。
そして、「終わりのない成長」を問い直し、「幸福になること」を目指す、自分だけの哲学と知恵を、私たちと一緒に見つけていこう。
それこそがきっと、私たちの幸福を叶える、本当の「賢さ」になるはずだ。
-------------------------------------------------------------------------------
Biz libraryでは、スモールビジネスに関する生きた情報を発信しています。また、スモールビジネス起業の具体的な方法論を「【スモールビジネス起業・完全ロードマップ】探索→販売→仕組み化→展開」にてお伝えしています。単品購入も可能ですが、サブスク会員になれば無料で読むことが可能です。
-------------------------------------------------------------------------------