負債10億円の会社をM&A後、利益率を7倍の14%に引き上げた経営再建術
スモールビジネス経営者に、事業について遠慮なく質問をぶつける「突撃!スモールビジネスの舞台裏」。普段は聞けないリアルなお金の話や、現場で起きている生々しい意思決定に触れることで、あなたのビジネスにもすぐに活かせるヒントが見つかるはずです。(聞き手:Biz library代表 海保 堅太朗)
今回は、エンジニア派遣事業を手掛ける企業の取締役を務める人物にインタビューを行った。
特筆すべきは、負債10億円を抱えていた会社をM&Aで取得後、わずか2年で利益率を2%から14%へと劇的に改善させた、その手腕だ。
その改善過程を掘り下げていくと、クライアントとの単価交渉術や独自のトップ営業といった具体的な戦術から、エンジニアの「帰属意識」という根深い課題に対するユニークなアプローチまで、限りなくリアルな知見が詰まっていた。
事業再生と組織づくりのヒントを得たい方は必見だ。
こんな人におすすめ:
・M&Aによる事業拡大や事業再生に興味がある経営者
・利益率の低さに悩むBtoBサービス事業者
・社員のエンゲージメント向上に課題を感じている方
目次
・システム開発の裏側を支える事業
・エンジニアの単価を上げた交渉術
・利益率2%→14%を実現した裏側
・派遣事業の根深い課題「帰属意識」
・採用の鍵は「引き抜き」とウェットな関係
・AI時代にこのビジネスで勝つには
どんな事業?システム開発の裏側を支える
海保:まず、ビジネスの概要をお伺いします。どのようなお客様に対して、どのようなサービスを提供されている事業なのでしょうか?
皆さんがインターネットを介して利用されているシステム全般に関わっています。大きく分けて2つの部門があります。1つは「開発」部門。そしてもう1つが、システムのバグ(不具合)がないかを徹底的に見つけ出す「テスト設計」、いわゆるQA(品質保証)と呼ばれる専門部隊です。
例えば、PayPayのようなQRコード決済サービスで、OSのアップデートによって特定の条件下で動作しなくなるケースは非常に深刻です。この「テスト設計」部隊は、そうしたバグが発生しないかを徹底的に検証します。他にも、家庭用ゲーム機、コピー機、電化製品など、あらゆるシステムのエラー発生可能性を洗い出しています。
システム開発の一般的な流れは、まずクライアント企業から依頼を受けたPM(プロジェクトマネージャー)がプロジェクトを立ち上げ、開発担当者がシステムを開発します。次に、テスト部隊がそれを検証し、問題があれば開発担当者に差し戻す、というサイクルです。
当社は、この「テスト部隊」と「開発部隊」のエンジニアを正社員として雇用し、大手企業などの取引先へ派遣(SES)しています。
具体的には、「システム開発に10人のエンジニアが必要だが、社内には3人しかいない」といった場合に、当社のような企業に「月単価150万円程度で、特定のシステム経験を持つプログラミング言語が使える人材が欲しい」といった依頼が来ます。これに対し、当社が自社のエンジニアを提案し、契約が成立すれば、エンジニアが参画します。プロジェクト完了後は、また別の開発案件を探し、そのエンジニアを次の現場へ異動させる、という形で事業を展開しています。これが、テストと開発の2つの事業の概要です。
海保:エンジニアを正社員としてかなり多く抱えていらっしゃるということですね。そうなると、売上規模としては数億円はないと成立しないですよね。
はい、40人弱のエンジニアを抱えています。売り上げ規模はだいたい5億円から7億円くらいになります。
海保:素晴らしいです。クライアント企業からいただく月額の契約料と、エンジニアに支払う人件費との差額が会社の利益になる、という解釈でよろしいでしょうか。
はい、その通りです。
エンジニアの単価を上げた交渉術
海保:では、このビジネスの立ち上げ期のお話をお伺いできればと思います。どのような経緯でスタートしたのでしょうか?
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今回は、エンジニア派遣事業を手掛ける企業の取締役を務める人物にインタビューを行った。
特筆すべきは、負債10億円を抱えていた会社をM&Aで取得後、わずか2年で利益率を2%から14%へと劇的に改善させた、その手腕だ。
その改善過程を掘り下げていくと、クライアントとの単価交渉術や独自のトップ営業といった具体的な戦術から、エンジニアの「帰属意識」という根深い課題に対するユニークなアプローチまで、限りなくリアルな知見が詰まっていた。
事業再生と組織づくりのヒントを得たい方は必見だ。
こんな人におすすめ:
・M&Aによる事業拡大や事業再生に興味がある経営者
・利益率の低さに悩むBtoBサービス事業者
・社員のエンゲージメント向上に課題を感じている方
目次
・システム開発の裏側を支える事業
・エンジニアの単価を上げた交渉術
・利益率2%→14%を実現した裏側
・派遣事業の根深い課題「帰属意識」
・採用の鍵は「引き抜き」とウェットな関係
・AI時代にこのビジネスで勝つには
どんな事業?システム開発の裏側を支える
海保:まず、ビジネスの概要をお伺いします。どのようなお客様に対して、どのようなサービスを提供されている事業なのでしょうか?
皆さんがインターネットを介して利用されているシステム全般に関わっています。大きく分けて2つの部門があります。1つは「開発」部門。そしてもう1つが、システムのバグ(不具合)がないかを徹底的に見つけ出す「テスト設計」、いわゆるQA(品質保証)と呼ばれる専門部隊です。
例えば、PayPayのようなQRコード決済サービスで、OSのアップデートによって特定の条件下で動作しなくなるケースは非常に深刻です。この「テスト設計」部隊は、そうしたバグが発生しないかを徹底的に検証します。他にも、家庭用ゲーム機、コピー機、電化製品など、あらゆるシステムのエラー発生可能性を洗い出しています。
システム開発の一般的な流れは、まずクライアント企業から依頼を受けたPM(プロジェクトマネージャー)がプロジェクトを立ち上げ、開発担当者がシステムを開発します。次に、テスト部隊がそれを検証し、問題があれば開発担当者に差し戻す、というサイクルです。
当社は、この「テスト部隊」と「開発部隊」のエンジニアを正社員として雇用し、大手企業などの取引先へ派遣(SES)しています。
具体的には、「システム開発に10人のエンジニアが必要だが、社内には3人しかいない」といった場合に、当社のような企業に「月単価150万円程度で、特定のシステム経験を持つプログラミング言語が使える人材が欲しい」といった依頼が来ます。これに対し、当社が自社のエンジニアを提案し、契約が成立すれば、エンジニアが参画します。プロジェクト完了後は、また別の開発案件を探し、そのエンジニアを次の現場へ異動させる、という形で事業を展開しています。これが、テストと開発の2つの事業の概要です。
海保:エンジニアを正社員としてかなり多く抱えていらっしゃるということですね。そうなると、売上規模としては数億円はないと成立しないですよね。
はい、40人弱のエンジニアを抱えています。売り上げ規模はだいたい5億円から7億円くらいになります。
海保:素晴らしいです。クライアント企業からいただく月額の契約料と、エンジニアに支払う人件費との差額が会社の利益になる、という解釈でよろしいでしょうか。
はい、その通りです。
エンジニアの単価を上げた交渉術
海保:では、このビジネスの立ち上げ期のお話をお伺いできればと思います。どのような経緯でスタートしたのでしょうか?