音楽業界だけに賭けた11年。売上5億円企業を作った「特化」の論理
スモールビジネス経営者に、事業について遠慮なく質問をぶつける「突撃!スモールビジネスの舞台裏」。普段は聞けないリアルなお金の話や、現場で起きている生々しい意思決定に触れることで、あなたのビジネスにもすぐに活かせるヒントが見つかるはずです。(聞き手:Biz library代表 海保 堅太朗)
今回お話を伺ったのは、音楽業界に特化したデジタル広告代理店を経営する金野和磨氏である。
レコード会社や音楽事務所を主な顧客とし、TikTokやInstagramを活用したアーティストプロモーションを手がけながら、創業11年目にして年商5億円規模の事業を築き上げた。副業として年商30万円からスタートし、5年間のダブルワーク期間を経て独立。
業界の外にいながら、業界の内側にしか持てない知見を武器に変えた経営者が、どうやってその勝ち筋を見つけたのか。その思考プロセスは、特定の業界に刺さるビジネスを作ろうとしているすべての人にとって、再現性の高いヒントを与えてくれる。
こんな人におすすめ:
・業界特化型のビジネスモデルを模索している経営者・起業志望者
・副業から独立・法人化を検討しているビジネスパーソン
・口コミで案件が広がる仕組みと、それを支える品質管理に興味がある方
目次
粗利の85%を占める、音楽広告ビジネスの全貌
海保:まず、現在手がけられているビジネスの概要から教えていただけますか。
2つの事業をやっています。
メインがレコード会社や音楽事務所に所属しているアーティスト向けのSNS広告プロモーションで、粗利全体の85%ほどを占めています。アーティストが新曲をリリースするタイミングや、ライブの告知、物販の販売といったタイミングで、TikTokやInstagramを使ってプロモーションを行うというものです。
もう1つが、一般の企業のマーケティング課題を音楽で解決するブランドソリューション事業で、残りの約15%になります。例えば飲料メーカーが新商品を出す際に、ネックストラップのQRコードをかざすとSpotifyのプレイリストに飛ぶ仕掛けを作るといった案件があるのですが、その際の選曲や楽曲の権利処理、あるいはキャスティングのお手伝いなどを行っています。具体的なところで言うと、森永乳業さんがSWEET LOVE SHOWERでマウントレーニアのお店を出したタイミングで、ヤバT(ヤバいTシャツ屋さん)をキャスティングさせていただいて、コラボデザインの「フローズンマウントレーニア」を発売するといった案件のキャスティング・リレーションを担当させていただいたこともあります。
海保:ありがとうございます。音楽の広告プロモーションは、一般の企業向け広告と比べて何か特殊な部分があるんですか?
一番大きいのはコンバージョンの計測です。通常、一般企業の場合は自社サイトや商品ページに計測タグを自由に埋め込めるので、ユーザーの行動を計測してターゲティングの最適化に使えます。ところが音楽の場合、リスナーに届けたいYouTubeやSpotify、Apple Musicといったプラットフォームには、残念ながら計測タグを埋め込めません。大手プレイガイドも同じです。では、リスナーの行動をどうやって捉えてターゲティングに生かすか、というところが業界特有の難しさです。
当社では独自に構築した環境があり、最終的に飛ばしたい場所でコンバージョンが取れなくても、その手前で計測できるようにしています。結果として、音楽ストリーミングサービスで楽曲を聴いてくれそうな人に優先的に広告が当たるような配信ができるというのが、当社の強みになっています。
海保:なるほど。独自の仕組みを持っているということですね。売上や利益は現在どれくらいですか?
今期の見込みで売上が5億6,000万円ほど、営業利益は3,000万円くらいになりそうです。創業11年目になります。
海保:素晴らしいですね。ビジネスモデルとしては、広告予算の一定割合をいただく形ですか?
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今回お話を伺ったのは、音楽業界に特化したデジタル広告代理店を経営する金野和磨氏である。
レコード会社や音楽事務所を主な顧客とし、TikTokやInstagramを活用したアーティストプロモーションを手がけながら、創業11年目にして年商5億円規模の事業を築き上げた。副業として年商30万円からスタートし、5年間のダブルワーク期間を経て独立。
業界の外にいながら、業界の内側にしか持てない知見を武器に変えた経営者が、どうやってその勝ち筋を見つけたのか。その思考プロセスは、特定の業界に刺さるビジネスを作ろうとしているすべての人にとって、再現性の高いヒントを与えてくれる。
こんな人におすすめ:
・業界特化型のビジネスモデルを模索している経営者・起業志望者
・副業から独立・法人化を検討しているビジネスパーソン
・口コミで案件が広がる仕組みと、それを支える品質管理に興味がある方
目次
粗利の85%を占める、音楽広告ビジネスの全貌
海保:まず、現在手がけられているビジネスの概要から教えていただけますか。
2つの事業をやっています。
メインがレコード会社や音楽事務所に所属しているアーティスト向けのSNS広告プロモーションで、粗利全体の85%ほどを占めています。アーティストが新曲をリリースするタイミングや、ライブの告知、物販の販売といったタイミングで、TikTokやInstagramを使ってプロモーションを行うというものです。
もう1つが、一般の企業のマーケティング課題を音楽で解決するブランドソリューション事業で、残りの約15%になります。例えば飲料メーカーが新商品を出す際に、ネックストラップのQRコードをかざすとSpotifyのプレイリストに飛ぶ仕掛けを作るといった案件があるのですが、その際の選曲や楽曲の権利処理、あるいはキャスティングのお手伝いなどを行っています。具体的なところで言うと、森永乳業さんがSWEET LOVE SHOWERでマウントレーニアのお店を出したタイミングで、ヤバT(ヤバいTシャツ屋さん)をキャスティングさせていただいて、コラボデザインの「フローズンマウントレーニア」を発売するといった案件のキャスティング・リレーションを担当させていただいたこともあります。
海保:ありがとうございます。音楽の広告プロモーションは、一般の企業向け広告と比べて何か特殊な部分があるんですか?
一番大きいのはコンバージョンの計測です。通常、一般企業の場合は自社サイトや商品ページに計測タグを自由に埋め込めるので、ユーザーの行動を計測してターゲティングの最適化に使えます。ところが音楽の場合、リスナーに届けたいYouTubeやSpotify、Apple Musicといったプラットフォームには、残念ながら計測タグを埋め込めません。大手プレイガイドも同じです。では、リスナーの行動をどうやって捉えてターゲティングに生かすか、というところが業界特有の難しさです。
当社では独自に構築した環境があり、最終的に飛ばしたい場所でコンバージョンが取れなくても、その手前で計測できるようにしています。結果として、音楽ストリーミングサービスで楽曲を聴いてくれそうな人に優先的に広告が当たるような配信ができるというのが、当社の強みになっています。
海保:なるほど。独自の仕組みを持っているということですね。売上や利益は現在どれくらいですか?
今期の見込みで売上が5億6,000万円ほど、営業利益は3,000万円くらいになりそうです。創業11年目になります。
海保:素晴らしいですね。ビジネスモデルとしては、広告予算の一定割合をいただく形ですか?