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人材紹介事業の新規参入はハードモード

こんにちは、チャックです。オンライン学習塾と人材紹介会社の2社の代表をしておりまして、後者では脱炭素領域に特化した人材紹介/転職支援サービスをがんばっています!

https://greenth.co.jp/

2023年4月10日に起業して約5ヶ月、人材紹介事業を開始して2ヶ月が経ちました。2010年〜2013年頃まで人材紹介事業を経験しているので事業遂行のイメージは持っていましたが、転職市場の環境がだいぶ変化したなと実感しています。その辺りの感触を、久しぶりにテキストでざっくり共有したいと思います。

追記:

創業から1年間が経過し、その結果をまとめました。

初年度年商1,350万円、粗利率100%!人材紹介会社設立から1年間を振り返る
https://biz-library.com/articles/cPkrqaMY

転職エージェントの新規参入企業は激増

転職エージェント(有料職業紹介事業所)の登録数は、近年激増しています。グリーンタレントハブもその1社ではありますが、累計数は28,000社に到達しようという勢いで、特に直近1年では1,135社増加と顕著な伸びを示しています。全国に57,000店舗あるコンビニの数にいずれ追いつくのではないかという勢いです。

厚生労働省「⺠営職業紹介事業所数の推移」(2022)



推測するに、この増加の背景としては、

  • 初期投資が低い(資本金500万円+個室用意)
  • ビジネスモデルが確定している(人材採用の成果報酬手数料)
  • 顧客候補は多数(全国368万社)、かつニーズは強い(成長企業は採用に困っている)

という辺りで、要するに新規参入しやすいということだと思います。


ある意味、人材紹介会社の起業は誰でもできる訳ですが、では実際に「人材紹介会社の立ち上げの難易度はどうか?」という点について、10数年前と比較しながら、私の感触を3点お伝えします。


Candidate(転職希望者)と接点を持つことはスーパーハード


想定はしていましたが、想定以上の難易度です。人材紹介会社がCandidateと接点を持つ主なチャネルは、以下の3つかと思います。

  1. 自社集客(自社メディア、SNS、広告など)
  2. 紹介経由(アフィリエイト含む)
  3. 転職媒体(リクナビ、doda、ビズリーチ、enなど)

実際のところ、多くの転職エージェントは 3.転職媒体 に依存している状況かと思います。実際、かつて私が従事していた際には、転職媒体からの集客が9割以上でした。


しかし、直近で転職エージェント数が激増していることに伴い、転職媒体側も媒体の提供価値を維持するために、新規エージェントの社数を制限する動きが加速しています。具体的には、有力媒体では、成約できないエージェントとの提携解除や、新規参入のハードル設定(直近での成約実績の提示)などを実施しています。


また、実際に転職媒体を使い始めてからも、新規エージェントには苦難が発生します。


まず、返信率です。対象職種や年齢にも依りますが、一般的にスカウトメールの返信率は1%を切ります


また、媒体活用に伴う費用の面では、初期費用の設定(40〜60万円)+成功報酬fee(エージェントの売上の20〜30%)と、エージェント側の経営に大きなインパクトがあります。


結論としては、これから人材紹介事業を開業しようと考えているエージェントは、転職媒体に依存せずにCandidateと接点を持つことができないと非常に厳しいと思います。


キャッシュフローが悪い


キャッシュフローの悪さも想定済みでしたが、改めて経営の立場からすると、なかなか大変だなと実感しています。


転職エージェントの口座にキャッシュインするタイミングは、


創業(n月)→有料職業紹介免許取得(n+3)→成約決定(n+4~)→キャッシュイン(Candidateがクライアント企業に入社した月の翌月末)


という状況で、創業から少なくとも半年以上はキャッシュインされないという想定が必要です。特にエグゼクティブ層のCandidateは引継ぎに時間がかかるケースが多いため、成約決定してもキャッシュインまで半年以上かかるという場合もザラにあります。


エージェント事業を専業で行なっているだけでは、キャッシュを維持することは困難だと言わざるを得ません。


手数料・年収は上昇傾向あり


かつて私がエージェント事業に従事していた時期はリーマンショック直後でしたので、当時のエージェントの手数料は、転職先企業の初年度年収の25〜30%、下手すると20%ということもありました。今は、人材採用難という状況ということもあり、35%が一般的ではないかと思いますが、職種や業種によってはそれ以上(40〜100%!)もあります。


また、一昔前は、”ベンチャー企業”では安月給で働くのが当たり前でしたが、今のスタートアップはしっかり年収を出してます。VCなどからスタートアップへの投資額が激増している点、及び年収を出さないと優秀な人材が採用できないという点が背景として挙げられます。


転職エージェントの売上の変数は、


売上=成約単価(①決定年収×②エージェント手数料)×③成約人数


なので、3つのうち2つの変数が上がるというのは、経営インパクトとして大変大きいです(だからこそ新規参入が増えています)。


グリーンタレントハブはどうなの?


ということでエージェントの新規参入は実際大変ですよ、という話だったのですが、最後に「グリーンタレントハブはどんな状況なのか」について軽くお伝えします。


結論、上記のような状況はある程度想定していたので、自社集客及びそのためのブランド構築に注力していましたが、直近でその成果が顕著に出始めています。


こちらのスライドは、創業前に最初に作ったものです。
グリーンタレントハブのKFS



28,000社もライバルがいる中で、クライアント企業・Candidateに選んでいただかなければなりません。そのためにはライバルとの差別化が必要であり、その源泉はブランドにあると考えています。


たとえば、当社がこれまでに取り組んだ事例としては、


などがあり、こういった取り組みの影響もあってか、クライアント企業・Candidateからのお問い合わせが急速に増え始めている状況です。


まとめ


以上、転職エージェントの立ち上げ時の経営について整理しました。エージェントは、どちらかというとスタートアップというよりもオーナービジネス寄りだと思うので、資金調達のチャネルも限られていることから、当面はキャッシュインとの戦いになると思います。当社もぶっちゃけ大変です。ただ、仕事のやりがいはもの凄くあります!


追記:

創業から1年間が経過し、その結果をまとめました。

初年度年商1,350万円、粗利率100%!人材紹介会社設立から1年間を振り返る
https://biz-library.com/articles/cPkrqaMY


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